電気工事士の残業は月平均何時間?主な理由やホワイト企業の見分け方を解説

電気工事士の残業は月平均何時間?主な理由やホワイト企業の見分け方を解説

2025/07/10

投稿者:elecareer_staff

 

電気工事士の仕事において、「残業」は切っても切り離せない課題の一つです。

「激務」と感じる原因の多くは、この「残業」が常態化していることにあるかもしれません。

しかし、すべての電気工事士が長時間労働をしているわけではなく、企業やプロジェクトの内容によってその実情は大きく異なります。

 

このコラムでは、電気工事士の「残業」がなぜ発生するのか、その具体的な理由を掘り下げ、企業側の削減への取り組み、そして電気工事士自身が「残業」を減らすためにできる対策について解説します。

 

 

1.電気工事士の残業時間は月平均どれくらい?

まずは、あなたが今抱えている「自分の残業時間は多すぎるのではないか?」という疑問に客観的な数字でお答えします。業界全体の平均を知ることで、現在の自分の立ち位置が明確になります。

 

平均時間は月20~40時間前後

各種統計データや求人サイトの調査によると、電気工事士の平均残業時間は月20時間から40時間程度が一般的とされています。これを1日あたりにならすと、毎日1時間から1時間半程度の残業をしている計算になります。

しかし、これはあくまで「平均」であり、実際には会社や現場によって大きな開きがあります。以下の表に、残業時間の目安と状況を整理しました。

残業時間(月間) 状況の目安
0〜10時間 非常に少ない。定時退社が基本のホワイト環境。
20〜30時間 業界平均レベル。1日1〜1.5時間の残業が常態化
45時間〜 黄信号。法律上の原則的な上限ラインに到達。
80時間〜 赤信号。過労死ラインと呼ばれ、健康被害のリスクが高い。

 

もしあなたの残業時間が恒常的に月45時間を超えているようであれば、それは業界平均と比べても明らかに「多すぎる」部類に入ります。体が悲鳴を上げる前に、環境を見直す必要があるでしょう。

 

参考:時間外労働の上限規制 | 働き方改革特設サイト | 厚生労働省

 

繁忙期と閑散期で労働時間は大きく変動する

電気工事士の仕事には明確な季節変動があります。特に年度末である2月から3月、そして9月や年末の工期末に向けては、平均時間を大きく上回る激務になりがちです。

この時期は多くの現場が竣工を迎えるため、最後の追い込みとして休日出勤や深夜作業が発生することも珍しくありません。逆に、工事がひと段落した閑散期には、定時で帰れる日が増えるケースもあります。年間を通してならしてみると平均程度に収まることもありますが、繁忙期のピーク時には月60時間から80時間を超える負担がかかることも覚悟しなければなりません。重要なのは、この繁忙期の負担が一時的なものか、それとも一年中続いているかを見極めることです。

 

現場代理人や施工管理はさらに残業が長い傾向

同じ電気工事に関わる仕事でも、職人と施工管理(現場代理人)では残業の質と量が異なります。現場で実際に手を動かす職人は、日が暮れたり騒音規制の時間が来たりすれば作業を終了せざるを得ません。

一方で、現場代理人や施工管理の担当者は、職人が帰った後に膨大な事務作業が待っています。施工図の修正、工程表の管理、写真整理、安全書類の作成など、パソコンに向かうデスクワークが深夜まで続くことが珍しくありません。キャリアアップとして施工管理を目指す方も多いですが、残業時間という観点では、現場作業員よりもさらに過酷になる傾向があることを理解しておく必要があります。

 

【関連記事】「電気設備施工管理」は本当に残業が多いのか?残業代とライフワークバランスの実態|ELECAREER(エレキャリア)

 

 

2.電気工事士の「残業」が発生する主な理由

電気工事士の「残業」は、主に以下のような要因によって発生します。

 

工期(納期)の厳しさ

工事には厳格な工期が設定されており、遅延が許されないケースが多いです。予期せぬトラブルや悪天候などで作業が遅れると、納期に間に合わせるために「残業」で対応せざるを得なくなります。

 

「人手不足」

電気工事士の「人手不足」は深刻であり、限られた人数で多くの現場をこなさなければならない状況が、一人あたりの業務量を増やし、「残業」に繋がります。

 

突発的なトラブルや緊急対応

現場での配線ミス、機器の故障、既存設備の不具合など、予期せぬトラブルが発生した場合、その原因究明と対応に時間を要し、「残業」が発生します。また、停電などのライフラインに関わる緊急対応は、時間帯を問わず必要となるため、休日や夜間の「残業」に繋がります。

 

他業種との兼ね合い

建設現場では、電気工事だけでなく、建築、設備など様々な業種が連携して作業を進めます。他業種の工程の遅れが、電気工事の開始や終了を遅らせ、「残業」の原因となることがあります。

 

現場の移動時間

複数の現場を掛け持ちする場合や、現場が遠方にある場合、移動時間が「残業」の一部として認識されることがあります。

 

書類作成や事務作業

現場作業以外に、日報や施工図の作成、資材の発注など、事務所での事務作業に時間を要し、「残業」となることがあります。

 

【関連記事】電気工事士の「激務」は本当か?ワークライフバランス改善の兆し|ELECAREER(エレキャリア)

 

 

3.「残業」削減に向けた企業側の取り組み

電気工事士の「残業」削減は、業界全体の喫緊の課題であり、多くの企業で以下のような取り組みが進められています。

 

「残業」時間の上限規制の遵守

労働基準法の改正により、建設業でも「残業」時間の上限規制が設けられました。企業はこれを遵守するため、労務管理を強化し、長時間労働の是正を図っています。

 

工期・スケジュールの見直し

無理のない工期設定や、作業の効率化を促すためのスケジュール管理の徹底が行われています。

 

IT化・DXの推進

BIM/CIMの導入による設計・施工の効率化、クラウドサービスを活用した情報共有、電子化された書類作成など、ITやDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、作業効率を高め、「残業」削減を目指しています。

 

人材育成と増員

「人手不足」の解消と、社員一人あたりの負担軽減のため、積極的な「中途採用」や若手育成に力を入れています。

 

「ホワイト企業」への転換

ワークライフバランスを重視し、「残業」を減らすことで社員の定着率を高めようとする「ホワイト企業」が増えており、求人情報でも「残業」時間の少なさをアピールする企業も出てきています。

 

 

4.電気工事士自身が「残業」を減らすための対策

「残業」を減らすためには、企業側の取り組みだけでなく、電気工事士自身が意識して行動することも重要です。

 

スキルアップと効率化

自身の作業スキルを向上させ、より効率的に作業を進められるよう努めましょう。第二種電気工事士から第一種電気工事士、さらに「施工管理技士電気」へとステップアップすることで、より高度な技術と効率的な段取りを身につけることができます。

 

段取りと計画性

「一日の流れ」を事前に計画し、必要な工具や資材の準備を怠らないなど、段取りを徹底することで、現場での無駄な時間を削減できます。

 

報連相の徹底

作業の進捗状況や問題点を、上司や関係者に迅速かつ正確に報告・連絡・相談することで、手戻りやトラブルを未然に防ぎ、「残業」に繋がるリスクを減らせます。

 

体調管理と集中力維持

「激務」や「つらい」環境では集中力が低下し、ミスや事故に繋がりやすくなります。適度な「休み」と睡眠を確保し、体調を万全に保つことが、効率的な作業に繋がります。

 

 

5.残業が少ないホワイトな会社を見分けるポイント

「今の会社はブラックかもしれない」と感じたら、より良い環境を求めて動く時です。しかし、転職先もまたブラックでは意味がありません。求人票や面接でチェックすべき「ホワイト企業の目印」を表にまとめました。

チェック項目 ホワイト企業の可能性が高い特徴 注意点
年間休日数 120日以上 完全週休2日制(土日祝)が機能している証拠。105日以下は激務の可能性大。
離職率・勤続年数 平均勤続10年以上 人が辞めない会社は居心地が良い。常に求人を出している会社は警戒が必要。
取引先・案件 大手メーカー・鉄道・官公庁 工期や予算に余裕がある案件が多い。元請けに近いほど労働環境は守られやすい。
給与体系 基本給が高い 残業代ありきの給与設定ではない。賞与の実績も確認する。
福利厚生 資格取得支援が全額会社負担 社員を大切に育てる姿勢がある。家族手当や住宅手当の有無も指標になる。

 

年間休日数が120日以上あるかを確認する

ホワイト企業を見分ける最も分かりやすい指標が「年間休日数」です。カレンダー通りの土日祝休みにお盆や年末年始を加えると、年間休日はおよそ120日前後になります。

この数字に近い会社は、現場のスケジュール管理がしっかりしており、休日出勤があった場合でも代休を取得できる体制が整っています。逆に年間休日が100日を切るような会社は、土曜出勤が当然の前提となっており、残業も多くなる傾向があります。

 

離職率の低さと勤続年数の長さをチェックする

「常に求人サイトに掲載されている会社」には注意が必要です。業務拡大による増員なら良いですが、入ってもすぐに人が辞めてしまうために補充している可能性が高いからです。

面接の際には、思い切って「社員の方の平均勤続年数はどれくらいですか?」と聞いてみるのも一つの手です。長く働いている社員が多い会社は、無理な残業を強いない、人間関係が良好など、長く続けられる理由が必ずあります。

 

特定の分野や元請け企業に強い会社を選ぶ

電気工事と一口に言っても、新築マンションの屋内配線、工場のメンテナンス、鉄道関連、公共工事など多岐にわたります。一般的に、新築工事の現場は工期に追われやすく残業が多くなりがちです。

一方で、工場の設備保全やビルメンテナンス、インフラ系の維持管理などは、計画的に業務が進められるため、突発的な残業が少ない傾向にあります。会社のホームページを見て、どのような種類の工事をメインに扱っているかを確認することで、入社後の働き方をある程度予測することができます。

 

 

6.現状の残業地獄から抜け出すための具体的な行動

記事を読んで「やっぱり今の環境はおかしい」と確信したあなたへ。ただ我慢していても状況は変わりません。あなたの貴重な人生の時間を取り戻すために、今日からできる行動を提案します。

 

自分のスキルと市場価値を客観的に把握する

まずは、自分が持っている資格や経験を棚卸ししてみましょう。第2種電気工事士の資格はもちろん、第1種や施工管理技士、消防設備士などの資格を持っていれば、市場価値は大きく跳ね上がります。

実務経験が3年以上あれば、即戦力として多くの優良企業が欲しがる人材です。「自分なんてここ以外では通用しない」と思い込まず、転職エージェントに登録して自分の市場価値を診断してもらうだけでも、大きな自信と選択肢が得られます。

 

より労働環境の良い会社へ転職活動を始める

「逃げる」のではなく「選ぶ」のです。電気工事士は慢性的な人手不足であり、完全な売り手市場です。同じスキルを持っていても、会社が変わるだけで年収が上がり、残業が半分以下になるケースは珍しくありません。

特に、今の会社でサービス残業が常態化しているなら、それはあなたの努力不足ではなく会社のコンプライアンス違反です。正当な対価を支払ってくれる会社へ移ることは、プロとして当然の判断です。

 

資格を取得してビルメンなど異業種へ移る

もし「工事現場そのものの働き方が体力的にきつい」と感じているなら、同じ電気系の資格を活かせる「ビルメンテナンス(設備管理)」へのキャリアチェンジも有力な選択肢です。

ビルメンテナンスは、建物の巡回点検や簡単な修繕が主な業務で、建設現場のような激しい肉体労働や工期のプレッシャーが少ないのが特徴です。残業も少なく、定時で帰れる現場が多いため、ワークライフバランスを重視したい電気工事士からの転職先として非常に人気があります。

 

 

まとめ:「残業」は変えられる。あなたの選択と行動で

電気工事士の「残業」は、過去からの課題であり、現在も多くの現場で発生しています。

しかし、業界全体の働き方改革や、企業の努力、そして電気工事士個人の意識改革によって、その状況は確実に変化しつつあります。

 

「残業」が少ない「ホワイト企業」を選ぶ、自身のスキルを向上させて効率的に働く、そして常に「安全管理」を意識するなど、あなたの選択と行動次第で、「残業」を減らし、プライベートな「休み」を確保しながら、「やりがい」を持って働き続けることが可能になります。

 

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